なぜ当事務所はターゲットを絞っているのか

開業を予定されている方とお話しする際に、「あなたの事業では、どのような方をターゲットに考えていますか」と質問することがあります。
その際、「できるだけ幅広い年代の方に利用してもらいたい」とお答えいただくことがあります。
そのお気持ちは、同じ事業を営む者としてよく分かります。
多くの方に知っていただきたい。
売上の間口を広くしていきたい。
そう考えるのは自然なことです。
しかし私は、「同業他社がどのようなターゲットを設定しているかも参考にしながら、ご自身の事業のターゲットを考えてみてください」とお伝えしています。
中小企業が、すべての年代やすべてのニーズに対応することは、現実的には難しいからです。
すべてのお客様に対応することの難しさ
例えば、アパレル小売業を営むとします。
すべての年代を対象にすると、ベビー服、キッズ服、メンズ服、レディース服、紳士服、婦人服、スーツ、ドレス、和服、喪服など、非常に幅広い商品をそろえる必要があります。
商品点数はどれほど必要でしょうか。
売場面積はどれくらい必要でしょうか。
販売員は何人必要でしょうか。
限られた経営資源の中で、それらすべてを一店舗で展開することは簡単ではありません。
これは、税理士事務所でも同じです。
当事務所が価値を提供しやすい分野
当事務所でも、自分たちが最も価値を提供できる分野を意識しています。
例えば、大規模法人や特殊な専門性を要する法人については、社内に専門の経理担当者がいることも多く、求められる業務内容やリスクも異なります。
小規模な税理士事務所として、無理にすべてを受けるのではなく、力を発揮できる領域を見極めることが大切だと考えています。
一方で、クリニックなどの医療機関や地域の中小企業、これから事業を始める方など、経営者と近い距離で数字を見ながら相談できる分野では、当事務所の強みを活かしやすいと感じています。
誰に、どのような価値を届けるのか
ターゲットを絞ることは、勇気がいることです。
「誰にでも売りたい」という気持ちはよく分かります。
しかし、事業や起業を論理的に考えるうえでは、「誰に、どのような価値を届けるのか」を明確にすることが重要です。
ラーメン店であれば、多彩なメニューをそろえるより、例えば、自信がある1種類のラーメンのみに特化することで強みが出ることもあります。
アパレルであれば、特定のスタイルに絞ることで、コアなお客様に選ばれやすくなることもあります。
より深く、より丁寧に向き合うために
ターゲットを明確にすることは、お客様を狭めるためではありません。
自分たちが本当に価値を届けられる相手に、より深く、より丁寧に向き合うためのものです。
当事務所でも、お客様一人ひとりと丁寧に向き合うため、自分たちが最も価値を提供できる分野を大切にしています。

■ その他のブログ
なぜ当事務所はターゲットを絞っているのか
函館の七夕文化について
路線価が公表される前でも、相続税申告の準備は進められるのか
函館商工会議所の個別専門相談で経営相談を担当しています
月次試算表をもとに、対面相談を大切にしている理由










